ランバート・イートン筋無力症候群(Lambert-Eaton myasthenic syndrome:以下LEMS)は、四肢の筋力低下、ドライマウスや便秘などの自律神経症状などを特徴とし、進行すると歩行や起立が困難になる神経筋疾患です。
主に、四肢の筋力低下と腱反射低下、自律神経症状を呈する神経筋接合部の自己免疫疾患として発症します。
監修
本村 政勝 先生長崎総合科学大学
工学部工学科 医療工学コース 教授
LEMSについて
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LEMSの疫学
わが国の研究では、10万人あたりの有病率は 0.27人。男女比は2:1、発症年齢は17~80歳(平均62歳)でした。
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LEMSの病因と病変
LEMS 患者は神経終末からのアセチルコリン放出が阻害されてうることが多く、神経筋伝達が障害され、筋力が低下します。
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LEMSの症状
LEMSは、(1)四肢近位部の筋力低下、(2)腱反射の低下、(3)自律神経障害の三徴を特徴とします。
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LEMSの予後
治療せずに放置すると症状は進行し、脚以外の筋力低下が生じるほか、自律神経系症状が悪化する可能性があります。
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LEMSの診断
LEMSに特異的な反復刺激試験やP/Q 型電位依存性カルシウムチャネルに対する病原性自己抗体の有無などで診断します。
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LEMSを
見逃さないために中核となる症状(四肢の筋力低下、自律神経障害、腱反射の低下)を見逃さず、腫瘍との関連を念頭に置くことも重要です。