LEMSの予後

治療せずに放置すると症状は進行し、脚以外の筋力低下が生じるほか、
自律神経系症状が悪化する可能性があります。

LEMSの症状は個人差がありますが、最初の兆候は、多くの場合、脚や下半身の筋力低下です。治療せずに放置すると、LEMSの症状は進行し、他の部位の筋力低下が生じるほか、消化、唾液、涙の分泌を含む自律神経系機能を制御する神経系に影響を及ぼす可能性があります。
LEMSの予後は悪性腫瘍(特に小細胞肺癌)合併の有無によって異なり、小細胞肺癌合併LEMS患者では、発症早期からより多くの神経症状が出現する傾向があり、非合併患者に比べて進行が早まります1~3)

  • Wirtz PW,et al.: Muscle Nerve 2005; 32: 226-229.
  • Titulaer MJ,et al.: J Neuroimmunol 2008; 201-202: 153-158.
  • Titulaer MJ,et al.: Ann NY Acad Sci 2008; 1132: 129-134.

LEMSの進行

LEMSは進行性で衰弱しやすく、高度の疾病負担の一因となる可能性があり、時間の経過とともに悪化する懸念があります1,2)

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    75%の患者が、椅子からの立ち上がりや階段の昇り降りなど、日常生活動作の一部または全部が制限されていました。

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    50%の患者に重度の脚力低下が認められました。その他の症状としては、口渇や視力の焦点合わせの困難が挙げられます。

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    EQ-5Dスコア*に基づくと、LEMS患者の健康関連QOLは著しく低下しています。

*健康状態の単一の指標値を生成する指標であり、医療評価に使用できる可能性が高いと考えられます。

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2001年の研究では、LEMS患者の約25%が常時または自宅外での移動に車椅子を必要としていました3)

  • Harms L, et al. : J Med Econ. 2012; 15: 521-530.
  • Titulaer MJ, : Lancet Neurol 2011; 10 :1098-1107.
  • Maddison P, et al. : J Neurol Neurosurg Psychiatry 2001; 70: 212-217.