監修医からのメッセージ

監修

本村 政勝先生
長崎総合科学大学 工学部工学科 医療工学コース 教授

プロフィール

重症筋無力症やランバート・イートン筋無力症候群(LEMS)の研究を重ねながら、神経筋接合部における新しい標的抗原の発見および画期的な治療法の開発に取り組まれています。2006年、東京医科歯科大学の山梨裕司教授(現在、東京大学医科学研究所)と共同で神経筋接合部の新しい蛋白(Dok-7)を発見、筋特異的受容体型チロシンキナーゼ (MuSK)の活性化因子であることを証明しました。その後、Dok-7が先天性筋無力症候群の原因になることをオックスフォード大学のBeeson教授との共同研究で報告するなど、多くの実績を残されています。

監修医からのメッセージ

LEMSの典型的な症状としては、下記の点が挙げられます。筋力低下が軽度の症例、あるいは小脳失調がある症例でも、鑑別診断においてLEMSの可能性を考慮し、電気生理学的検査を検討することが望まれます。

【LEMSの典型的な症状】

  • 立ち上がりにくい(Gowers徴候陽性)
  • 歩きにくい
  • 運動負荷により握力が上がる
  • ドライマウス(自律神経症状の中で最も高頻度)
  • 腱反射低下
  • 小脳失調があればLEMSを疑う